Daily Archives: 2011-04-04

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町ねこ通信 3号

もくじ
1. お知らせ

  • 長崎の町ねこ調査隊塾 募集中
  • 山根明弘氏講演会のご案内
  • いぬねこ里親譲渡会
2. 地域猫レポート vol.1 平和公園地域猫の会
3. ねこ調査・アラカルト
4. おわりに

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1. お知らせ

長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」の募集が始まりました。

広報ながさき4月号35ページにも紹介されています。

長崎伝習所ホームページでも募集しています。

先日今年度の伝習所塾長の集まりがありましたが、どの塾も元気いっぱい

やる気満々の様子です。わが「町ねこ調査」も負けずに楽しく盛り上げたいと

思いますので、ぜひご参加ください。

参加は無理だけど、PRなら引き受けてもいいよ、のサポーターもありがたいです。

どちらもこちらのフォームよりご連絡くだされば、対応します。どうぞ、よろしく。

 

山根明弘氏の講演会 ご案内

ねこ調査のパイオニア、山根明弘さん(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)をお招きして、講演会を開きます。

日時:2011年6月12日(日)午後(時間の詳細は未定)
場所:メルカ築町 5F会議室(長崎市築町3-18 / TEL:095-823-9333)
入場:無料
主催:長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

山根さんは福岡県新宮町相島という玄界灘に浮かぶ小さな島で、7年間かけて、200匹のノラネコの調査研究をされました。

そして2009年からは市民ボランティアと一緒に、北九州市のネコ実態調査に乗り出していらっしゃいます。

私は密かに「ノラネコ博士」とお呼びしているのですが、

そのユニークで簡単にできるねこ調査のノウハウを教えていただきながら、

だれもが知っているようで、じつは謎に包まれているねこの生態についてお話していただく予定です。

このチャンスを逃す手はありません。スケジュール帳に今すぐ書き込みましょう。

北九州市立いのちのたび博物館はこちら

 

いぬねこ里親譲渡会が開かれます。

日時:2011年4月24日(日)13:00~17:00
場所:宝町公園(長崎市宝町10 / 銭座町電停バス停より徒歩1分 / ココウォークより徒歩3分
主催:しっぽの会
共催:長崎猫の会・長崎ライフオブアニマル
チャリティー・フリーマーケットもあります。


2. 地域猫レポート vol.1 平和公園地域猫の会

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写真は平和公園噴水下の広場で食事中のねこさんたちです。

2011年3月下旬、長崎県地域猫活動連絡協議会のメンバーと長崎市平和公園を訪れ、

“地域猫”のねこさんたちとそのお世話をされているYさんにお会いしてきました。

平和公園地域猫の会は2009年12月に活動を開始しています。

ねこのメンバーは現在22匹。人間の会員は6名ですが、

朝夜1日2回の餌やりやトイレの清掃などはYさんとSさんのお二人が交代で行っています。

1年365日、雨の日も雪の日も欠かさずです。

ねこが好き、かわいいからだけではとても続かないでしょう。お二人には、ほんとうに頭が下がります。

一匹、一匹に名前がついていて、Yさんが呼ぶとやってきます。

初めての私はまったくねこの名前を覚えられなかったのですが、

Yさんはそれぞれの個性や健康状態などをしっかりと把握されていて、びっくり。

頭の中に「個体識別」カード(ねこ調査で使います)がインプットされているようでした。

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Yさんの周りに集まるねこたち

平和公園地域猫の会の悩みは、ねこたちのお世話をしてくれる人が少ないことです。

公園に子ども連れでやってくる人とねこを通じて顔見知りになり、おしゃべりするような仲になったりと、

人の輪は広がっているようですが、じゃあ実際にその中のだれかが一緒に地域猫活動を始めてくれるかと言えば、

それはなかなか難しいようです。地域猫活動は相手が生き物であるだけに責任も重く、

尻込みしてしまう気持ちもわからないではありません。

Yさんも「私の体調の悪い時だけでも代わりに待っているねこたちの所へ行ってくれる人がいれば、助かるんですけどね」とおっしゃっていました。

そうなんですよ、一人でも仲間が増えれば、一人の負担はその分軽くなるのですけれどね。

平和公園のねこさんたちを見ていると、とても外で暮らしているねことは思えないくらい毛並みが美しく、体も大きい。

こんなに可愛がられて、餌も十分に食べていれば、ストレスも少なく、まさに“平和”に暮らしているように見えました。

ちなみに餌代もボランティアさんの負担です。

平和公園地域猫の会ホームページはこちら

興味を持たれた方はこちらのフォームまでご連絡ください。

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3. ねこ調査・アラカルト

「長崎の町ねこ調査隊塾」より一足早く、今年1月から長崎市S町界隈でねこ調査を始めた。

ただいま21匹を「個体識別カード」に記入。

想像していた以上に難しいのはオスとメスの区別。

じっくり観察できるのは居眠りしているねこや座っているねこたちだが、その恰好からは雌雄がわかり難い。

かといって歩いているねこを詳しく観察しようとすると、さっと逃げてしまう。

ねこ好きもプロ級(?)になると、顔を見ただけで彼か彼女かわかるらしいが、ねこ初心者の私にはとても無理。

もうひとつはネーミング。ねこ調査をスムーズに行うためにはねこに名前を付けることがポイントだと、

山根明弘さんも著書『わたしのノラネコ研究』に書かれている。

しかしねこの名前って意外に思い浮かばない。

「そのネコを最初に見た時の印象を、そのまま名前にしてしまうことです」

とは山根さんのアドバイスだが、これもそう簡単にはいかない。

そんなこんなで試行錯誤しながら、早くも3カ月が過ぎた。

そんなある日の夕暮れ時、雑居ビルの前のスペースで顔なじみになったねこを見つけ、

バッグからデジタルカメラを取り出して、パチパチと写真撮影。

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「そのねこは性格がいいからね。人気者なんだよ」

と頭上から人の声。見上げると、初老の男の人がひとり。ビルの1階に入っているお店のご主人らしい。

地面に座り込むようにして写真を撮っている私をかなり気合の入ったねこ好きと思い込み、話しかけていらしたようだ。

ねこに性格が良い悪いがあるんだ、と思っていると

「子どもが触っても、だまって撫でさせているからね」

とのこと。つまり穏やかでやさしいねこさんということか。

その価値判断は、人間の場合と同じなんだろう、たぶん。

「いろんな名前を持っているみたいだよ」とご主人。

なるほどここにやってくる人たちが名前を付けて可愛がっているということか。

やっぱり人気者なのだ。

そして、いつのまにか三毛さんがそばに来ていた。

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このねこさんは3年前くらいにやって来て、この近所に住みついたらしい。

ご主人の説明によると、前に餌をあげていた人が不妊手術までしてくれたとのこと。

そこまで責任持ってくれたら、いいのですけどね。

「ここのねこたちは毎日刺身食べてるよ」

「えっ、さ、刺身を毎日?」

と思わず絶句!

聞けばこれも近所の魚屋さんが朝夕、生の魚を持ってきてくれるそうな。

「朝はアジを丸ごと一匹食べてたね」

す、すごい!美食!

と話していたら、その魚屋さんが手にビニール袋をさげて登場。もちろん袋の中には新鮮なお魚。

この魚屋さんチョットいかつそうなおじさんで、ねこさんを可愛がるって雰囲気じゃなかったのですが……。

ミャア、ミャアと声がして、今度は黒ねこ登場です。

えさを食べにやってきたらしい。

おじさんが皿に魚を入れると、まずはこの黒ねこさんから夕食タイム開始。

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茶色のねこはじっと待っていますが、三毛は知らん顔。

三毛さんは生魚が嫌いで、見向きもしないとか。好きなのはカリカリ(乾燥したキャットフード)。

このカリカリも少なくなってくると誰かが補充していってくれるそうだ。

「餌はやってないけど、水だけは毎日替えてる」とご主人。

見るとビルの外階段の下に小さなバケツが置いてあり、そのさらに奥にはねこさんのベッド(箱)もある。

この箱も誰かが持ってきて置いてくれたそうだ。階段の下なので、雨にも濡れないだろう。

ほとんど毎日この付近を歩いているが、ねこの糞を見たことがない。臭いもない。

たぶん、これも“誰か”が掃除してくれているに違いない。

この3匹の暮らしぶりは、ゆるやかな「地域猫」なのだろうか?

ご近所さんやここにやってくる人たちが何のしばりもなく、お世話している。が、とりたててのトラブルはないらしい。

このビルの前は狭いけれど車の通る道がある。

ねこさん、車にだけは気をつけて。

車はあなたたちの周りの人々のように、やさしくはないからね。

 

4. おわりに

ねこ活動を始めて、7か月。いろいろな人に会うたびにねこの話をしています。

「え、ねこ?」(それがどうした)という冷ややかな反応もある反面、

「じつは、ねこ大好きなんです」という心躍る反応もあります。

空前のペットブームばかりが話題になり、

その陰で悲惨な運命をたどる犬やねこがたくさんいることを、

ねこに興味のない人にも、ねこが大好きな人にも知ってほしいと思います。