Category Archive: 町ねこ通信

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町ねこ通信 9号

もくじ
1. お知らせ

  • ながさき町ねこ写真展
  • 長崎市動物愛護フェスタ2011
2. ねこのいる町 ──vol.4 新大工から桜馬場へ──
3. ねこ、あれこれ No.4

  • ねことワルツを踊りましょう。──岩合光昭『ネコを撮る』朝日新書
4. おわりに

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1. お知らせ

ながさき町ねこ写真展

日程:2011年8月31日(水)~10月2日(日)
場所:カフェ豆ちゃん(長崎市東古川町1-5 | TEL&FAX: 095-825-4455)
詳しくはこちらの記事でお知らせしています。

第36回長崎市動物愛護フェスタ2011

日時:2011年9月23日(金祝) 10:00~15:00
場所:NBCビデオホール(長崎市上町1-35 3F | 桜町電停すぐ)
主催:長崎市・社団法人長崎県獣医師会長崎支部

<プログラム>
10:00-10:30 写真コンクール表彰式
10:40-12:00 いぬのしつけ方教室
13:00-14:30 基調講演「ずっと一緒にいるために──知っておいてほしい犬猫の習性と正しい飼い方」
講師:水越美奈先生(獣医師、博士(獣医学))
14:30-15:00 パネルディスカッション
<写真コンクール応募作品の募集>
テーマ:人と動物―心温まるスナップ
応募期間:8月1日(月)~8月26日(金)
応募資格:長崎市在住または長崎市内に通勤・通学されている方
応募方法:L判にプリントされたもので1人1点まで・応募用紙をあわせて郵送または持ち込み
優秀作品3点に記念品を贈呈します。応募写真の返却はできませんのでご了承ください。
応募・問い合せ先=長崎市動物管理センター(095-844-2961/846-1197)

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2. ねこのいる町 ──vol.4 新大工から桜馬場へ──

長崎の人から「お諏訪さん」と呼ばれ親しまれている諏訪神社。

毎年10月7日、8日、9日は「くんち」という名の大祭が催され、

全国から観光客が集まり、街中が賑やかになります。

その諏訪神社から蛍茶屋方面に向かう大きな通り沿いには、

新大工町、桜馬場、夫婦川町、鳴滝など、

名前を見ただけで由緒ありそうな町並みが続いています。

中央に路面電が走りその両脇は片道2車線の大通りから、ちょっと脇道に入ると、

車の通らない狭い路地が迷路のように張り巡らされています。

どこかに抜けるだろうと思って歩いて行くと行き止まりで、

引き返すこともめずらしくありません。

公道だと思って歩いていたら、突然「私有地につき通り抜け禁止」の立て札に

ぶつかってみたりと、古い住宅街ならではの雰囲気があります。

そして、そこはねこの街でもあります。

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家と家の隙間に佇み、こちらを警戒中

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玄関先でまどろむ

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なんか用ですかい?

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用がないならさっさと帰ってくれ、眠いんだよ。

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首輪をつけたチャシロを撮っていたら、

「きれいに撮ってもらわんね」と天からの声。

振り仰げば、アパートの2階の窓で洗濯物を取り入れている女性が見えました。

内外飼いのねこさんなのかな。

カメラを向けると警戒したのか、スタスタと歩きだして、

向かった先は近くの庭付きの立派なお宅。

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その家の塀にはご覧の通りねこ除けのネットが張り巡らされていました。

「おい、おい、そこはだめだよ」と言っても、聞こえないのか、無視しているのか、

お構いなしに行ってしまいました。

この家にもたぶんねこ困りさんが住んでいるはずです。

ねこのいるところ、必ず、ねこ好きさんとねこ困りさんがいます。

しかし、人間の対立などどこ吹く風、ねこはねこの道を行くのでした。


3. ねこ、あれこれ No.4

ねことワルツを踊りましょう。──岩合光昭『ネコを撮る』朝日新書033

ねこ好きの人で、動物写真家・岩合光昭の名前を知らない人はめずらしいかもしれない。

もちろん、岩合ファンはねこ好きだけではない。

動物を愛する多くの人から彼の写真は絶賛され、

一度でいいから岩合さんのようなシャッターチャンスをものにしたい、

と思っているアマチュア写真家は少なからずいるはずだ。

「ながさきの町ねこ写真展」の開催が決まり、それまでねこの毛柄やしっぽの形、

目の色などを記録するためだけに写真を撮っていた私も、

いわゆる町中のねこらしいねこの写真を撮ってみたいと、

手にしたのが『ネコを撮る』。

岩合さんは、まずどうやってねこに近づくかを「第1章 ネコにアプローチ」で説く。

次に具体的な撮影方法に移る。「第2章 撮影編」

ここにおもしろい記述がある。

「自分の側にきてほしいときは、あえて後ろへ下がる。

そこで止まってほしい場合は、ちょっと前へ出たり下がってみたり。

すると、ネコもこちらを気にし始めたり、動きを止めたりするから不思議だ。

気のやりとりといったものだろうか。

はじめは距離があいていても自然にお互いの距離が縮まって、

知らず知らずのうちに、互いにワルツを踊っているような心地よい関係が生まれる。」

これは写真撮影だけでなく、町ねこ調査にも通じる極意だ。

もう少し近くに寄れば、柄も目の色もわかるのにと、しばしば思う。

しかし、そう思っただけで、なぜか、ねこは逃げる。

つかず離れずの微妙な距離感が難しい。

ワルツを踊った経験はないけれど、きっとねことこちらとの

リズム感がぴったり合えば、ねこは逃げずに居てくれるのだろう。

第3章では「世界のネコ」を紹介し、

「第4章 野生のネコ」はライオンやチーターのお話。

そして最後はこう結ばれている。

「ひとりで生きる、それはそれでたくましい生き方なのだろう。

ヒトのような悪あがきはしていない。

あくまでもネコとしてたくましく生きるということだ。

だからこそ、ネコたちに「元気にね」「また、会おう」。

別れ際には、そう声をかけずにはいられない。」

岩合ワールドの原点は、ここにあるのかもしれない。

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岩合光昭『ネコを撮る』朝日新書033(2007年3月, ISBN978-4022731333)


4. おわりに

ながさき町ねこクラブと長崎の町ねこ調査隊塾のブログが更新されています。

ぜひ、アクセスしてください。

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町ねこ通信 8号

もくじ
1. お知らせ

  • ながさき町ねこ写真展
  • 譲渡会情報
2. ねこ調査・アラカルト No.4

  • “ねこ困り”さん
3. おわりに

  • コゲラ騒ぎ

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1. お知らせ

ながさき町ねこ写真展

日程:2011年8月31日(水)~10月2日(日)

場所:カフェ豆ちゃん

  • 長崎市東古川町1-5
  • 095-825-4455
  • 月・火定休
  • 水~日=11:30~20:00(金曜は~24:00)

「長崎の町ねこ調査隊塾」活動のひとつとして、町ねこの写真展を開きます。

長崎の中心街からちょっとだけ離れた小さな路地に佇むおしゃれなカフェ豆ちゃん。

ここはタダの(無料という意味でなく)カフェではなく、

長崎の文化の発信基地でもあります。

路地でおしゃれで文化の発信となれば、町ねこ調査隊にぴったり!

えっ、えー、路地はわかるとして、町ねこのどこがおしゃれ?って、

そんな細かいことはさておいて、

カフェのオーナーさんから「写真展をやってみませんか?」とのありがたいお申し出に

写真展を見たことはあっても、やるのはもちろん初めての塾長でしたが、

ためらうことなく、了承してしまいました。怖いもの知らずとはこのことです。

長崎の町なみを自由に歩くねこたちを、調査隊はこれまでにたくさん撮影してきました。

それにプラスして、長崎の町とねこの濃密なつながりを伝えるために、

町の風景とそこに暮らすねこの姿をとらえた写真を展示します。

町ねこカルテの展示もあります。

すてきな音楽とゆっくりした雰囲気に包まれて、すごく美味しいラテを飲みながら、

町ねこたちに会ってください。お待ちしています。

 

譲渡会情報

子犬・子猫の養子縁組大会

生後2~3ヶ月の子犬と子猫を譲りたい市民、もらいたいかた

*子犬は母犬が登録され狂犬病予防注射接種済みであること。

日程:7月17日(日)午後1時~

場所:動物管理センター(茂里町2-2/095-844-2961)

申込:午後1時~1時30分に直接会場へ

その他:縁組ができなかった子犬と子猫は、飼い主に連れ帰っていただきます。

広報ながさき7月号にも掲載されています。

 

しっぽの会さん+長崎猫の会さん+長崎Life of Animalさん主催 長崎宝町公園譲渡会

日程:2011年7月24日(日)13:00~17:00

場所:長崎宝町公園(長崎市宝町10)

譲渡会については、さるねこふみのブログにより多くの詳しい情報が出ています。

ご覧ください。


2. ねこ調査・アラカルト No.4

“ねこ困り”さん

「長崎の町ねこ調査隊塾」の塾生は、6月に3名増え、40名になりました。

そのほとんどがねこ好きさん、ねこの話になるとすごく盛り上がります。

ところが、初めてねこの被害で困っている人からお問い合わせがありました。

「長年、駐車場にねこが糞尿をして、その臭いもひどく、困っている。どうにかできないか」というお話でした。

私自身、この塾を始めるまでは特別にねこが好きだったわけではないので

(今ではすっかりねこにハマってかなりのねこ好きに変身していますが……)

ねこの被害に苦しめられている人の気持ちもわかるつもりです。

自分が飼っているわけでもない言わば赤の他人のようなねこの糞尿の始末を

毎日させられれば、頭にも来るでしょう。

大事に育てている植木鉢をひっくり返されれば

(ねこに悪気はないのですけど)怒鳴りたくもなるでしょう。

ねこに(あるいはねこを飼っている人、餌やりさんに)敵意を感じても

不思議ではありません。

そして、ねこ好きさんはこんな人を「ねこ嫌い」と呼びます。

確かにこんな「ねこ嫌い」さんは、今はねこが嫌いかもしれません。

しかし、自分の家の庭にねこが来なくなりねこの被害がなくなれば、

「ねこ嫌い」さんはねこに敵意どころか、関心すらなくなるでしょう。

このような「ねこ嫌い」さんはねこが嫌いなのではなく、

ねこに困っている「ねこ困り」さんなのです。

問い合わせて来られた人に、長崎市はねこの殺処分数がとても多いという話をしました。

すると「ひどかねえ」と殺処分されるねこたちに同情されていました。

この人は少なくとも「ねこ嫌い」ではありません。

自分の周囲にねこによる被害さえなければ、それでいいのです。

ねこを本気で嫌い、ねこを閉じ込めたり、虐待行為にまでエスカレートするような

「ねこ嫌い」もいるでしょう。

そこまで残酷でなくても、心ないねこ嫌いさんの言葉や行為に

辛い思いをしているねこ好きさんもけっして少なくありません。

だからこそ、ねこ嫌いさんとねこ困りさんとを、

はっきり分けて考える必要があると思うのです。

ねこの殺処分を減らし、

ねこがまちなかで快適に生きていけるような環境を整えるためには、

ねこ困りさんの話に耳を傾け、

その解決法をねこ好きさんも一緒に考えてみるというのはどうでしょう?

これもあるねこ関連の会議に、

ねこの糞尿で困っている自治会の代表者の方がいらっしゃいました。

この方たちもご近所のねこの糞尿苦情を何とかできないかというご相談でした。

そしてねこトイレを設置してみたいと話されました。

それに対して、そこに集まっていたねこ好きさんから懇切丁寧な、

すぐにも役に立ちそうないくつかのアドバイスがありました。

それを聞いて、相談に来られた人は

「とりあえず、ねこ用のトイレを作り、置いてみましょう」と言って帰られました。

ねこ困りさんの多くはねこを飼ったことがなく、ねこの習性をよく知らないはずです

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町ねこ通信 報告その2(通巻11号)

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長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」主催公開講演会
「町ねこ調査を始めよう! 」
講師:山根明弘氏(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)

公開講演会「町ねこ調査を始めよう!」は

2011年6月12日(日)14:00~16:00、

メルカつきまち(長崎市築町3-18)において開催されました。

町ねこ通信通巻11号は、通巻10号(講演内容のまとめ)に続き、

講演会の後半に行われました質問コーナーをレポートします。


講演会では、山根明弘さんのお話が終わった後、

15分の休憩をはさみ、質問タイムを設けました。

講演開始前に配りました質問用紙に山根さんへの質問を書いていただき回収、

副塾長の中村さんが休憩時間にそれをまとめました。

そして山根さんと中村さんの一問一答の形で質問コーナーは進行していきました。

提出された質問は15件、それを3つに分類しました。

 1) ねこの生態についての質問

 2) ねこ調査についての質問

 3) 調査の活用についての質問


1) ねこの生態について

Q:メスはどうやってオスを選んでいるのですか?

A:近親交配を避けるために、外グループのオスを選んでいるのではないか。

 

Q:メスは複数のオスの子を産みますか?

A:一腹で3匹のオスの子を産んだ例があります。

 田舎のねこと都会のねこを調べて比較した研究があり、

 田舎のねこはねこの密度が低いから、父親は1匹だが、

 都会はねこの密度が高く、一腹で複数の父親の子が生まれている例もあるそうです。

 

Q:オスねこ同士のケンカは止めない方がいいですか?

A:止めるのはいいですが、ケガをすることがあるので気をつけてください。

 オス同士に力の差があれば、ケンカにならない。

 力が拮抗しているオス同士が争います。群れの順位付けでしょう。

 

Q:出産について

A:餌やりをすればするほど、子ねこがたくさん生まれてくるのは、生物学的に正しい。

 餌やりの判断はその人に任せますが、餌をやるにしても

 後のことを考えてやって欲しい。

 

Q:猫エイズは人にうつるか?

A:人にはうつりません。


2) ねこ調査について

Q:調査をする時間は?

A:おもにねこが出て来る午後3時から6時に調査します。

 

Q:夜も調査していますか?

A:夜に町中で調査するといろいろなトラブルに巻き込まれる可能性があるので

 夜はしていません。他に、北九州市では調査する人は腕章をつけています。

 

Q:調査をしていて、「私もやってみたい」という声はありましたか?

A:見学に来る人はありましたが、定着はしなかったですね。

 

Q:調査地域を地形で分ける、交通事情で分けるのは?

A:北九州市では、やりやすい場所を選んだら、

 偶然にも3つの特徴ある地域が調査対象になりました。

 

Q:町ねこカルテのように絵にすることのメリットは?

A:写真と併用するのがベストです。写真で撮れない部分を絵で描く。

 情報は同じカードに書き足していき、他の人と共有します。

 

Q:家の内外飼いのねことノラネコの見た目での判断は?

A:毛並みと人に慣れているかどうか、でしょうね。

 飼い猫といった場合は、

  1) 家の中で餌をやっているか?

  2) 病気などの時に病院へ連れていくのか?

  3) 家族の一員としているか?

 このうち少なくとも2点を満たさなければ飼い猫とは判断しないようにしています。


3) 調査の活用について

Q:調査データをどういう方向に活かせばいいでしょうか?

A:ねこの密度がわかれば、不妊手術のコストがわかります。

 手術するかどうかは別として、議論にまではこぎつけて欲しい。

 

Q:殺処分を激減させている熊本市との交流は?

A:自治体によって事情は違います。

 持ち込みねこが圧倒的に多い自治体と熊本市を

 単純に比較することはできません。ケースバイケースでしょう。

 調査することですぐに殺処分を減らすことはできないでしょうが、

 野垂れ死にするねこ、不幸なねこを減らしたいと思います。


質問コーナーのまとめは以上です。

このQ&Aは山根さんに一部加筆訂正していただきました。

ご多忙のところ、快くご協力いただきました

山根さんに感謝申し上げます。


講演会を終えて

長崎の町ねこ調査隊塾がスタートしてほぼ2カ月が過ぎようとしています。

その間によく聞かれたのが

 「町ねこ調査って、何ね? ねこば追いかけるとね?」

であり、

 「調査して、そればどうすると? 何の役に立つとね?」

でした。

公開講演会「町ねこ調査を始めよう!」に参加して下さった方々には

少なくとも町ねこ調査がどんなものか

そしてその意義も十分伝わったのではないかと感じています。

町ねこ通信通巻10号と11号では

講演会に参加できなかった方のために

講演会の内容をまとめました。

また、ながさき町ねこクラブ&長崎の町ねこ調査隊塾のブログでも

講演会の報告をしています。

 

山根さんはお話の中で、次のように指摘されました。

 ともに調査をしている動物愛護推進員の方たちは、

 ねこの殺処分を減らしたいという気持ちでネコ実態調査に協力して来られたが、

 データを行政に投げかけても、行政は動かない。

 財政的なむずかしさもある。そのことでボランティアのモチベーションが上がらない。

 データを積んでいってもねこを救えない。これが今直面している問題点。

 

確かに町ねこ調査は毎日殺処分されていくねこの命を直接救うことはできないし、

ねこの糞尿や庭荒らしなどの被害をすぐに食い止めることもできません。

ねこの殺処分や悲惨な環境で生きるノラネコを減らすためには、

行政が主導して、長崎市全体で

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町ねこ通信 報告(通巻10号)

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長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」主催公開講演会
「町ねこ調査を始めよう! 」
講師:山根明弘氏(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)

公開講演会「町ねこ調査を始めよう!」は

2011年6月12日(日)14:00~16:00、

メルカつきまち(長崎市築町3-18)において開催されました。

町ねこ通信通巻10号は、この講演会をレポートします。


12日、長崎は朝から“バケツをひっくり返したような”

という表現がぴったりの大雨。

講演会に人が集まるだろうか、そればかりを心配していたのは

まだ甘かった!

講師の山根明弘さんを出迎えに長崎駅へ向かうと、

何と駅のホームが水没、辛うじて残っているひとつのホームを

使って列車の発着が行われている。

しかも山根さんを乗せた列車は、途中を徐行運転中とのこと。

講演会が始まる時刻より早めに長崎へ来ていただくようにしていたものの

はたして、山根さんは間に合うのだろうか。

ほんとうに列車は長崎まで来るのか?

そして、80分近く遅れて、やっと山根さんを乗せた列車が長崎駅の

ホームに到着。

遠くから見えてくる特急列車のヘッドライトの明るい光が

あんなに美しく見えたのは人生初の経験でした。

山根さんも長い列車の旅でお疲れだったはずですが

予定時刻には会場入りしていただきました。

参加者も、大雨で道路冠水もあっている中、

40名近くが集まっていただきました。

いよいよ、講演会が始まります。

まずはねこの分類から、お話が始まりました。

カイネコ:人間の所有権あり。

ノラネコ:人間の所有権はないが、人間の生活に依存している。

ノネコ:人間の所有権もなく、人間の生活に依存していない。(たとえば無人島にいるねこやオーストラリアで野生化しているねこ)

カイネコは、完全室内飼い と 家の外に徘徊が可能なねこ に分けられる。

そして、家の外に徘徊可能なカイネコとノラネコを

合わせて「町ねこ」と呼ぶのはとてもいいことではないかと

言っていただきました。

 

第1部     相島でのノラネコ調査

相島は玄界灘に浮かぶ小さな島(面積125ヘクタール)で

山根さんが調査された20年ほど前は人口500人あまり、

島のほとんどの人が漁業で生計を立てていました。

山根さんはこの相島に7年間通い、あるいは住み込み、約200匹のねこを調査され、

今でもこのねこたちは鮮明に覚えていらっしゃるそうです。

魚が獲れれば、魚のアラ(骨や内臓、皮など)が大量に捨てられ、

それをねこが食べ、きれいに片づけてくれる、

ある意味で人とねこが共生している島かも知れない。

(講演会のアンケートにも「相島のような所のねこは幸せだな」書いてありました。)

山根さんはこの島でねこに名前を付けて、そのねこを見つけた場所と時刻、

何をしていたかを記録し、データにまとめられました。

講演会のパワーポイントにもたくさんのねこたちの写真が登場しましたが、

山根さんは、その1匹1匹の名前を今でも覚えていらして、驚きました。

相島のねこと山根さんの深い絆を感じます。

相島でのノラネコ調査については

山根明弘『わたしのノラネコ研究』さ・え・ら書房

に詳しく書かれています。ぜひ、お読みください。

 

第2部     北九州市のネコ実態調査隊

後半は2年前の6月から北九州市で始まったネコ実態調査についてのお話でした。

山根さんは北九州市動物愛護推進員3名のボランティアさんと一緒に

3地区(小倉南区城野・八幡東区春の町・門司区柳町)でネコ実態調査を実施し、

データを蓄積して来られました。

まず、市街地でのねこ調査がどの程度可能なのか(事例がほとんどない)から始まり、

いろいろ心配もされたそうですが、

いざ始めてみると、汗をかいて外で動いている調査員の姿を見て

ほとんどの人が協力的だった。

たとえば、ねこよけのネットを張っているような人でも

「ねこは悪くない、悪いのは人間」と言われたそうです。そして

1)個体数の推定

2)カイネコ(屋外徘徊型)とノラネコの割合

3)様々な事例の蓄積

を目的に今も調査を続けていらっしゃいます。

調査は月に1回~2回。

ほぼ3ヶ月~4ヶ月でねこの個体識別が終わる。

調査対象の3地区はそれぞれ地域の特徴が違い、

街の特徴によって、ねこの生活形態も違ってくる、

それにより行政の対策も立てやすくなるだろう。

 

第3部 これからの課題

1)高カロリーの餌が安価で出回り、不妊手術をしていないノラネコたちは

餌を与えられれば与えられるほど年に何回も出産する。

生まれた子ねこはその後どうなるのか?

側溝で野垂れ死にしていたり、カラスに襲われたりして、

5匹生まれても1年後に生き残るのは1匹くらいだろう。

ネガティブな話題だが、生まれた子ねこの何匹が生き残れるのか、

データを作りたい。

2)調査を続けて行くことのむずかしさ

ともに調査をしている動物愛護推進員の方たちは、

ねこの殺処分を減らしたいという気持ちでネコ実態調査に協力して来られたが、

データを行政に投げかけても、行政は動かない。

財政的なむずかしさもある。そのことでボランティアのモチベーションが上がらない。

データを積んでいってもねこを救えない。

これが今直面している問題点だとおしゃいました。

きれいごとや建て前だけでなく、本音の部分を話していただき、ありがたかったです。

最後に山根さんは

行政は確かになかなか動いてはくれない。

しかし、こうして長崎でも町ねこ調査が始まったように、

この調査が全国に広がり、100の中の5つの自治体でも動いてくれれば、

変化していくだろう、と締めくくられました。

 

この後、15分の休憩をはさみ、その間に参加者に書いてい
ただいた山根さんへの質問を

副塾長の中村淳さんがまとめられ、

山根さんと中村さんの1対1の質問タイムが30分ありました。

質問タイムの内容もおもしろかったのですが、長くなってしまいましたので、

次号に回します。ご期待ください。


講演会の後、山根さんを囲んで懇親会を持つ予定でしたが、

列車の運休が続いているため、今日中に帰られる予定の山根さんは

急いで長崎駅へ向かわれ、ちょうど出発寸前だった上り特急列車に

飛び乗られました。

大雨のために、慌ただしいスケジュールになってしまい、

山根さんにもご負担をかけてしまいました。

またいつか長崎へ来ていただく機会があれば、

その時にはゆっくり長崎の町ねこたちにも

会っていただきたいと思います。

 

山根さんはもちろんのこと、会を運営していただいた塾生のみなさま、

協力していただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

この場をかりて、お礼申し上げます。

 

長崎の町ねこ調査隊塾

塾長 中島由美子

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町ねこ通信 7号

もくじ
1. お知らせ

  • 町ねこ調査を始めよう! ──山根明弘氏講演会──
2. ねこ調査・アラカルト No.3

  • はじめての町ねこ調査
3. ねこ、あれこれ No.3

  • 名優、茶トラ登場 ──ティファニーで朝食を──
4. おわりに

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1. お知らせ

町ねこ調査を始めよう! ──山根明弘氏講演会──
身近にいる町ねこたちについてもっとよく知ってみませんか?

日時 2011年6月12日(日)14:00~16:00 (13:30開場)
場所 メルカつきまち 5階会議室 長崎市築町3-18 (TEL:095-823-9333)
入場 無料
主催 長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

山根明弘さんは、玄界灘に浮かぶ小さな島(福岡県新宮町相島)で、

家を借りて住み込みながら7年間、毎日のようにノラネコを追いかけました。

顔を覚え、名前を付けたノラネコの数は200匹以上にのぼるそうです。

そして2009年からは、北九州市ネコ実態調査隊として、

市の動物愛護推進員のメンバーといっしょに、ねこ調査を始められ、

着々と街中のねこたちのデータを蓄積されています。

おもしろいお話が聞けます。このチャンスを逃す手はありません。

ぜひ、ご参加ください。お待ちしています。

くわしくは、こちら

 

2. ねこ調査・アラカルト No.3

はじめての町ねこ調査

長崎の町ねこ調査隊塾は、6月4日(土)第3回定例会の中で、

はじめて“町ねこ調査”をやってみました。

場所は長崎市寺町界隈。中心部にある繁華街からちょっと外れた

昔ながらの商店や民家が並ぶ街。その名が示す通り、お寺も多い。

堂々と路上で昼寝をしているねこを見かけたこともあり、

ねこにとってはかなり住みやすい場所に思えます。

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さて、はじめてのおつかい、ならぬ町ねこ調査。

はたしてねこを見つけることができるのか、

ドキドキワクワクしながら、総勢13名で出かけて行きました。

いましたよ、ねこさん。

夕方の時間帯がよかったのか、20匹くらいのねこと遭遇。

しかし、たくさんの人間に突然囲まれ驚いたのか、

一目散に止めてあった車の下に逃げ込むねこも……。

次はできるだけ静かにやりますから、

初心者だと思って

今回はゆるしてやってくださいませ。

ながさき町ねこクラブ&長崎の町ねこ調査隊塾のブログでは

この町ねこ調査の様子を詳しく写真付きでレポートしています。

また、副塾長作成のPowerPointスライドショーファイル

町ねこカルテを使ってみる」もブログにあります。

ねこ調査の方法をわかりやすく、解説しています。

ぜひ、ブログをのぞいてみてください。

 

3. ねこ、あれこれ No.3

名優、茶トラ登場

作家トルーマン・カポーティは小説『ティファニーで朝食を』に

「茶色の雄の虎猫」を大事な脇役として登場させた。

その茶トラは、そのまま映画「ティファニーで朝食を」にも

主人公ホリー役のオードリー・ヘップバーンに思いっきり愛される

うらやましき猫として出演している。

ホリー・ゴライトリーは川べりで巡り会い、

家に連れてきた猫に名前を付けない。

それは「私たちはお互い誰のものでもない、

独立した人格なわけ」だから。

ホリーはその茶色の虎猫を溺愛する。

非常階段に座って、ギターをつま弾きながら

髪を乾かす時にも、そばには猫がいた。

ホリーは足の指に赤いマニキュアを塗りながら、

猫の髭も赤く染める。

そんなに仲のいい一人と一匹にやがて悲しい別れがやってくる。

映画はハッピーエンドだが、小説はそう単純ではない。

しかし、どちらも茶トラには幸せな結末が待っているので、ご安心を。

人間世界では名作として有名な

「ティファニーで朝食を」も

ねこが見たら何と言うだろう。

一度感想を聞いてみたいものである。

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『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ(村上春樹訳・新潮社)

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『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ(龍口直太郎訳・新潮社)

 

4. おわりに

毎日新聞2011年5月27日(金)の長崎版

“長崎の町ねこ調査”が紹介されました。

「街の猫 調査を開始」の大きなタイトル、写真は2枚、

かなり大きな記事でした。

盛り沢山の内容をコンパクトにまとめた文

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町ねこ通信 6号

もくじ
1. お知らせ

  • ブログ、デビュー!
  • 町ねこ調査をやってみよう ──山根明弘氏講演会──
  • 長崎の町ねこ調査隊塾・定例会
  • 犬とねこの譲渡会
2. ねこ調査・アラカルト No.2

  • その1 長崎伝習所開所式&長崎の町ねこ調査隊塾第1回定例会の報告
  • その2 ノラネコの哀しみ
3. おわりに
4. おまけ

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1. お知らせ

ブログ、デビュー!

ながさき町ねこクラブ&長崎の町ねこ調査隊塾のブログができました。

アドレスはこちら→http://machineko-club.sblo.jp/

さるねこふみのブログでおなじみの、オフィスさるねこさんが立ちあげてくださいました。ありがとうございます。

アクセスすると、これまでの町ねこ通信のバックナンバーがぜぇーんぶ読めます。

町ねこ通信だけでなく、長崎の町ねこ調査隊塾の活動報告も掲載予定。

どうぞ、よろしく。

町ねこ調査をやってみよう! ──山根明弘氏講演会──

山根明弘氏をお招きしての講演会「町ねこ調査をやってみよう!」が開催されます。

日時 2011年6月12日(日)14:00~16:00 (13:30開場)
場所 メルカつきまち 5階会議室 長崎市築町3-18 (TEL:095-823-9333)
入場 無料
主催 長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

塾生だけでなく、だれでも、参加できます。

ねこの“プロ”山根さんに、ねこ調査のノウハウを教えていただきます。

楽しくて、ためになって、しかも来場者にはもれなく、

長崎の町ねこ調査隊塾オリジナルの「ながさき町ねこカルテ」をプレゼント!

この絶好のチャンスを逃す手はありません。

お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

お待ちしています。

山根明弘氏 プロフィール
北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)学芸員
1966年兵庫県西宮市生まれ
九州大学理学部卒業 理学博士
国立環境研究所、京都大学霊長類研究所を経て、現職。
専門は、動物の生態学と集団遺伝学。最近はサウジアラビアのマントヒヒの生態も研究。
著書:『わたしのノラネコ研究』さ・え・ら書房
玄界灘に浮かぶ小さな島(福岡県新宮町相島)において、7年間、200匹のノラネコの調査・研究。
長崎の町ねこ調査隊塾定例会のお知らせ
第2回定例会
2011年5月28日(土)18:30~20:30 アマランス会議室1
第3回定例会
2011月6月4日(土)18:00~20:30 アマランス会議室1
(注:18:00から1時間ほど寺町周辺でプレねこ調査の予定です)

お問い合わせはこちらのフォームよりお願いいたします。

犬とねこの譲渡会のお知らせ

5月の譲渡会の予定については、

さるねこふみのブログに詳しく掲載されています。ぜひ、ご覧ください。

 

2. ねこ調査・アラカルト No.2

<その1>長崎伝習所開所式&長崎の町ねこ調査隊塾 第1回定例会の報告

5月13日(金)午後7時から、長崎県勤労福祉会館講堂にて

長崎伝習所開所式が開催されました。

長崎伝習所には「長崎の町ねこ調査隊」のほか、

「ナガサキポルトガルシルシル塾」

「長崎ビューポイント探訪塾」

「坂のまち長崎なのに自転車塾」

「孫文・梅屋庄吉の明治大正長崎事情塾」

があります。そのすべての塾が集まり、会場は熱気に溢れていました。

伝習所ロゴ入りのハッピ(はっきり言ってダサいです)を着せられ、

壇上で1分間のあいさつをしなければならず、緊張のあまり、倒れるかと思いました。

開所式も無事終わり、部屋を移動して、初の長崎の町ねこ調査隊塾の顔合わせ。

この日までに34人の申し込みがあり、当日の参加は19人でした。

もし、私と事務局担当のHさん(動物管理センター職員)だけだったらどうしようと

内心ビクビクものでしたが、部屋にはたくさんの人が集まっていて、

うれしい想定外でした。

やっぱりねこは人を招くのですね。

お忙しい中、参加いただき、ありがとうございました。

 

定例会は、町ねこ調査って何?というお話から始め、

次に事務局の紹介、そして、自己紹介。

20代らしき若い人からご高齢の方まで年齢層もいろいろ。

男性が3割ほどで、やや女性上位かな。

一言だけの自己紹介でしたが、ねこへの愛情は十分に伝わってきました。

塾の活動スケジュールなどを話し合い、8時半に閉会。

じつはその後、会場に残った数人で食事に行きましたが、ねこ談義で盛り上がること!

「こんなにねこを語れる所って、他にないです」とすごく喜んでくださった人もいて

楽しいひとときでした。

定例会はもちろん、その後のおまけタイムにも、どうぞ。

 

<その2>ノラネコの哀しみ

町ねこ通信5号(通巻6号)の「おわりに」に書きました、

小さい小さい子ねこのお話の続きです。

一度はミルクをまったく飲まなくなり、やせ細って家族みんなで心配しましたが

獣医さんの治療がうまくいき、今ではミルクもよく飲み、元気になりました。

あのまま保護されなければたぶん生きてはいない子ねこが

いっぱいの愛情に包まれ、命を育んでいます。

偶然が子ねこに幸運を運んでくれたのでしょう。

しかし、この子ねこの背後には数知れない命が育つことなく、消えてしまっています。

たとえ生きながらえたとしても、ノラネコには過酷な試練が待っています。

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初夏の日差しがまぶしいある日、

長崎の街が一望できる小高い丘にある公園に出かけました。

ここは江戸時代から凧(長崎ではハタと呼びます)上げの名所として

長崎の人に親しまれている所で

休日ともなると、上空高く上がった凧が風に舞い、

その下で真剣に糸を引くたくさんの人がいます。

その傍らでは、子どもたちがボールを追いかけて走り回り、

にぎやかな歓声が聞こえてきます。

その喧噪を避けるかのように、ひっそりとねこがいました。

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やせていて、目やにがいっぱい、毛並みも悪く

栄養状態が悪いことは、見ただけでわかります。

この近くに人家はなく

ここのねこたちはどうやって餌を得ているのか、

たぶん餌やりさんがやってきて、餌を置いていくのでしょう。

そのわずかな糧が、このねこたちの生命線です。

image007

病気になっても、ノミやダニのために痒くても

だれも助けてはくれません。

暑くても、寒くても、雨でも雪でも

じっとがまんしているのです。

image009

ここに来るまでは

空き地でのんびり昼寝をしたり、

路地を優雅に散歩するねこたちを見ては

「ノラネコは自由でいいなぁ」と思っていました。

でも、それはある程度の質や量の餌がもらえて、

雨露をしのぐねぐらを持つ

町中のノラネコだけ、です。

ここに暮らすねこたちは、人家から遠いこの場所に

人間の手によって捨てられ、

かろうじて生きてきたのです。

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無責任な人の行為が

不幸なねこを生み出しているのだとすれば

それをストップできるのも

人間しかいません。

町ねこ調査は、ねこの頭数や生態を調べるだけでなく

このねこたちが訴えている問題も

合わせて考えていきたいと思います。

犬やねこの遺棄については、動物愛護推進協議会が

「飼えないからって、捨てないで」キャンペーンを展開中です。

詳しくはオフィスさるねこのブログをお読みください。

 

3.おわりに

「サラリーマンNEO」というテレビ番組を知っていますか?

NHK総合火曜日午後10:55~11:25に放送されています。

この春からseason6に入った人気番組。

サラリーマンの悲喜こもごもの生態?を

ギャグあり、パロディありで

笑わせながら見せる、NHKっぽくないカラーです。

何がおかしいかと言って、

NHKがNHKの番組をパロディにしてしまうところ。

おい、おい、そこまでやる?って思うほど、自虐的。

――と前置きが長くなってしまいましたが、

そのサラリーマンNEOの

オープニング音楽に合わせて、

二匹のねこたちが頭を振るのです。

そのしぐさがたまらなくかわいい!

が、その二匹、はたして

ほんもののねこなのか?

よくわからないのです。

巧妙にできた偽ねこのようにも見えるし、

どなたかあのねこたちをじっくり見て、

真相を教えてくれませんか?

 

おまけ

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町ねこ通信 お知らせ

image002町ねこクラブの小町です


長崎伝習所 開所式&第1回定例会のお知らせ

いよいよ、長崎の町ねこ調査隊塾がスタートします。

2011年5月13日(金)
午後7時から伝習所開所式 (6時30分受付)
午後7時30分から第1回定例会を開きます。
場所:長崎県勤労福祉会館2階 講堂 (長崎市桜町9-6 / 長崎市役所水道局と公会堂の間)

長崎の町ねこ調査隊塾は、5月11日現在、応募者数30名です。

たくさんの方に参加いただき、ありがとうございました。

応募いただきました皆様には、伝習所事務局よりご案内のはがきが

届いていることと思いますが、

13日午後7時からの開所式&定例会に

ぜひ、ご参加いただきますよう、重ねてお願いいたします。

長崎伝習所には

長崎の町ねこ調査隊」のほか

ナガサキポルトガルシルシル塾

長崎ビューポイント探訪塾

坂のまち長崎なのに自転車塾

孫文・梅屋庄吉の明治大正長崎事情塾

があります。

それぞれ個性豊かな、活気あふれる塾です。

開所式にはすべての塾がそろいます。

長崎伝習所の雰囲気を知っていただく、いい機会です。

第1回定例会では、塾生の顔合わせのほか、1年間のスケジュールや

町ねこ調査の方法などについて話し合います。

みなさんのご参加をお待ちしております。

 

「長崎の町ねこ調査隊塾」中島由美子

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町ねこ通信 5号

もくじ
1. お知らせ
2. ねこのいる町 ──vol.3 伊良林周辺──
3. おわりに
4. おまけ

image002町ねこクラブの小町です


1. お知らせ

長崎の町ねこ調査隊塾がいよいよスタートします!

長崎伝習所の開所式が

2011年5月13日(金)19:00(開場18:30)

長崎県勤労福祉会館2階 講堂(桜町9-6 / 長崎市役所別館(水道局)と公会堂の間)

にて開催されます。

4月30日現在のお申し込みは29名です。

たくさんの人にお申し込みいただき、ほんとうにありがとうございました。

開所式の後、初めての定例会(19:30~20:30)を同じ会場で開きます。

1年間の活動スケジュールなどを決める予定です。

お申し込みいただいたみなさま、ぜひお集まりください。

よろしくお願いいたします。

なお、締め切りは4月30日までとなっていますが、

しばらくの間、申し込みを受け付けます。

町ねこ調査、あなたもごいっしょにどうぞ。

お問い合わせは、こちらのフォームよりご連絡ください。

 

第51回ねこ会議

2011年5月14日(土)14:00~16:30
出島交流会館4F第5会議室(長崎市出島町2-11)

“ねこ”でご近所とトラブルになり、困っています。どうしたらいいでしょう?

“地域猫”について詳しく知りたいのですが……。

ねこについて“何か”話したい。

どうぞ、ねこ会議にお出かけください。

ねこのプロ?みたいに、ねこ問題に詳しい人、

とにかくねこが大好きな人が

月に1回集まってワイワイガヤガヤ話し合っています。

初めての方も大歓迎!

気軽に足を運んでください。

詳しくは、長崎県地域猫活動連絡協議会のホームページをご覧ください。

 

2. ねこのいる町 ──vol.3 伊良林(いらばやし)周辺──

4月22日、長崎伝習所の第1回塾長会議が開かれました。

会議が終わり、集まった人たちが席を立ち始めた頃、

「長崎の犬やねこ事情について、とてもよくまとめてあります。

ぜひ読んでみてください」と

<ながさきのいぬ・ねこについてごぞんじですか?>の

パンフレット(オフィスさるねこ制作)を塾長のみなさまに配りました。

私の目の前に座っていらした年配のMさんは、

伝習所の中でも格式高き歴史分野の塾長さん(もうバレバレですね)。

てっきり「ねこなんかに興味ないね」と無視されるかと思いきや、

にっこり笑って

「ぼく、じつは、ねこ大好きなんだよね」

えっ、えーとびっくりしていると

「長崎の中でいちばん好きなねこは、龍馬のブーツのとこにいるねこ。

あのふてぶてしさがいいよね」と。

すると周りにいた人たちから「知ってる、知ってる」

「観光客がよく写真撮ってるよね」との声があがり、

そんなに有名なねこを知らなかったなんて

「長崎の町ねこ調査隊塾」塾長としては、

立場ないっす。

それにしても龍馬のブーツって、なあに?

それってどこにある?

昨年の大河ドラマ「龍馬伝」もほとんど見ていない私のこと、

(福山雅治が嫌いだからではありません。念のため)

当然のように、龍馬ゆかりの亀山社中がどこにあるのかさえ知らず、

かのねこを求めて、伊良林にある亀山社中記念館と

そのすぐそばにある龍馬のブーツ像を探し回りました。

亀山社中とは、1866年に坂本龍馬らが結成した商社で

海運業や通商活動を行ったそうです。

地図を片手に中島川に架かる橋を渡り、中通り商店街を抜けて、

寺町通りに向かって歩いていると、

見ず知らずのかなり高齢な女性から

「何か探しとるとね?」と声をかけられ

「亀山社中に行きたいのですけど」と返すと

「ああ、亀山社中なら、この道をまっすぐ上がって……」

と親切に道を教えてもらいました。

観光客だと思われたらしい。

長崎人は、よそからやって来た人にすこぶる

時として信じられないほど、親切なのです。

教えてもらった通りに歩いていくと

こんなものを発見!

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捨てねこを保護していらっしゃるのか、飼いねこが産んだ子ねこなのか

お話を聞いてみたかったのですが、残念ながらお留守でした。

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さらに進むと、寺町通りの興福寺が見えてきました。

この山門は長崎でいちばん大きく、朱色が目を引きます。

それを右手に見ながら歩き続けると、亀山社中記念館へ上る道がありました。

さあ、そこからが大変。

急斜面に沿ってくねくねと続く狭い坂道を

上れども上れども、目的の場所に着きません。

「まだなの?」

と弱音を吐く人が多いのか

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こんな看板があちらこちらにありま
した。

やっとのことで

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亀山社中記念館にたどり着き

そして龍馬のブーツへ。

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ちなみにこのブーツの中は空洞で中に足を入れることができます。

訪れた人たちが代わる代わる記念撮影をしていました。

そして、ついにめざすねこ発見。

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うーん、やっぱりふてぶてしいかな?

いろいろ聞いてみると、このブーツの近くには

似たようなねこたちが複数いるらしい。

よってこのねこさんがMさんお気に入りのねこなのか

それはまだ判明していません。

 

3. おわりに

1週間ほど前のこと。

用事があって実家を訪ねると

リビングに見慣れない段ボールがあり、

中をのぞくと小さな、小さなねこが1匹いました。

か細い声でミーミーと鳴いています。

聞けば、前日、小学生の甥っ子が

カラスに連れて行かれそうになっていた

子ねこを拾ってきたそうです。

ながさきの町ねこクラブを立ち上げ、

長崎の町ねこ調査隊塾・塾長の私ですが、

物心ついてから今まで

一度もねこを飼ったことはありません。

つまり、実家に初めてやってきたねこ、だったのです。

ミルクを作って飲ませても、なかなか飲んでくれません。

実家の家族はみんな“ねこの初心者”

どうしていいのかわからず、右往左往です。

困ってしまって、長崎猫の会のTさんに助けを求めました。

とても親切にいくつかアドバイスをもらい、

その後、子ねこは順調にミルクを飲み始めました。

何十年もねこのいなかった家に、突然やってきた子ねこ。

これも何かの縁でしょうか。

実家ではこの小さなお客さまを

家族として迎え入れることになりました。

町ねこクラブの小町ちゃんのような

かわいいねこに育ってくれるように

祈っています。

 

4. おまけ

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町ねこ通信 4号

もくじ
1. お知らせ

  • いぬねこ里親譲渡会
  • 「飼えないからって、捨てないで」キャンペーン
  • 長崎の町ねこ調査隊塾 募集中
2. ねこのいる町 ──vol.2 稲佐悟真寺国際墓地――
3. ねこ、あれこれ

  • 『ノラや』に思う、ねこと人の縁
4. おわりに
5. おまけ

image002 町ねこクラブの小町です


1. お知らせ

いぬねこ里親譲渡会が開かれます。

日時:2011年4月24日(日)13:00~17:00
場所:宝町公園(長崎市宝町10 / 銭座町電停バス停より徒歩1分 / ココウォークより徒歩3分)
主催:しっぽの会
共催:長崎猫の会・長崎ライフオブアニマル
チャリティー・フリーマーケットもあります。

宝町公園は電停・バス停の目の前にあり、交通のアクセスも便利。

かわいいワンコやニャンコが待っています。

ちょっとのぞいて見ませんか?

 

“飼えないからって、捨てないで”キャンペーンがスタート

長崎県・長崎市・長崎のボランティア団体が協力し、

動物愛護意識の啓発キャンペーンが始まります。

長崎市内にある自治会掲示板なんと約2,700か所!に啓発ポスターが貼られ、

啓発のちらしが自治会の回覧として回ることになっています。

動物愛護のためにこれほど大がかりなキャンペーンが展開されるなんて

すごいことです。(拍手!)

昨年8月、熊本市動物愛護センター松崎所長の講演会に足を運ぶまで、

長崎市でこんなに多くの犬やねこたちが殺処分されている事を私も知りませんでした。

ポスターを見て「えっ、これって何だ?」と目をとめ、

ちらしを読んで「ああ、そうなんだ」と気付き、

一人でも多くの人に物言わぬ動物たちの命に

関心を持ってもらいたい――そう切望しています。

詳しくは

さるねこふみのブログをご覧ください。

 

長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」募集中

応募のしめきりは4月30日(土)

ある時、ある人から、「町ねこ調査」について聞かれました。

「ねこば追いかけるとね?」

いいえ、追いかけるのではなく、観察するのです。

「ねこの絵ば描くとやろ?」

いいえ、ねこの絵をスケッチして楽しむ会ではありません。

一匹、一匹のねこを見分けるために、カードにその特徴を描き込むのです。

「ねこ好きの集まりね?」

いいえ、ねこの好きな人だけでなく、ねこに少しでも関心のある人なら

きっと楽しんでもらえる「町ねこ調査」です。

参加希望の方は、こちらのフォームよりご連絡ください。

長崎伝習所ホームページでも募集しています。

 

2. ねこのいる町 ――vol.2 稲佐悟真寺国際墓地――

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稲佐悟真寺国際墓地と桜

長崎市稲佐山(いなさやま 333メートル)の頂上には展望台があり、

ここから見下ろす長崎の港やそれを囲む町並みは絶景です。

とりわけ夜景はすばらしい。

そのふもとにある稲佐地区は名所旧跡も多く、長崎観光のスポットになっています。

そのひとつが稲佐悟真寺国際墓地。

悟真寺は1598年に開祖され長崎では最も古い歴史を持ち、中国人の菩提寺とされ、

唐人(とうじん)墓地がつくられました。

1649年からはオランダ人墓地、1853年にロシア艦隊が来航した後はロシア人墓地もつくられ、

現在もそれぞれの墓地が残っており、その特徴がよくわかります。

と、前置きが長くなってしまいましたが、

「稲佐の国際墓地にねこさんがいっぱいいるよ」との情報を得て、桜満開の4月上旬、ねこを探してきました。

ここも前回の十人町(じゅうにんまち)同様、急な斜面地、狭い路地、

上と下にバスの通る大きな道路はあるものの、このあたり一帯はほとんど車が通らない、

いわばねこのサンクチュアリです。

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江戸時代、稲佐には庄屋の屋敷や富豪の別荘などがありましたが、

今では港を挟んだ対岸の繁華街に比べると寂しい町になり、人通りも少なく、ねこさんたちが堂々と道を闊歩していました。

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空き地で獲物をねらうねこ

墓地の中には広い空き地もあり、何かをハンティング中のねこさんを発見。

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しかし、カメラを構えたあやしげなおばさん(私です)に気づいて、脱兎のごとく逃げ出してしまいました。

このねこに限らず、この日出会ったねこさんはみな警戒心が強そうでした。   

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墓地の入り口付近、塀に上るねこ

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墓地の近くの路上にて

この日は午後5時過ぎから6時過ぎまでほぼ1時間のねこ探訪の間に、

5匹のねこさんに会いました。墓地の奥にねこはいませんでしたが、

墓地周辺の人家近くでねこを見かけたのは、餌をもらう時間帯だったのかも。

どのねこも首輪をしてなくて、みんな”ノラネコ”さん?

稲佐悟真寺国際墓地も5月から始まる「長崎の町ねこ調査隊塾」で調べてみたいねこポイントです。

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墓地の中を歩くねこ

 

3. ねこ、あれこれ No.2

『ノラや』に思う、ねこと人の縁

ねこの名前はノラ。性別はオス。毛並みは薄赤の虎ブチに白毛多い。

しっぽは鉤になって曲がっている、つまり尾曲がりねこ。

住所は東京、麹町、飼い主は内田百閒(うちだ・ひゃっけん 1889年-1971年 小説家・随筆家)。

ある日、百閒先生の庭にねこの母子が住みつき、そしてしばらくすると

「どうか何分共よろしくお願い申します」

とでも言うように子ねこを残して、母ねこは姿を消してしまう。

「自分で猫を飼って見ようと考えた事もなく、猫には何の興味もなかった」

百閒先生だったが、この子ねこにノラと名付け、

可愛がるというより溺愛するようになっていく。

ノラは「顔つきや、特に目もとが可愛く、又利口な猫で人の云う事をよく聞きわけた」

それなのに1歳半になった春のある日、庭から出て行ったきり帰ってこない。

さあ、それからが大変。百閒先生は仕事も手に付かず、食事ものどを通らず、

眠れない日々が続く。毎日「ノラや、ノラや」と呼び続け、

御年68歳の百閒先生は「ノラの事を気にすれば涙が出て泣いてしまう」のである。

もちろん八方手を尽くして探すが、見つからない。

近所への張り紙はもちろんのこと、新聞に広告を出し、折り込みチラシを何度も入れ、

謝礼金まで用意して、探し続ける。近隣四か所の警察署へノラの捜索願を出して

「警察は人の生命財産がおかされそうな場合、保護するのが役目でして、

うちの猫は駄猫で、そこいらにいくらでもいると云われると、一寸勝手が違うのです。

あの猫は五萬円するとか、十萬円で買ったとか、そう云う事になれば筋が立ち易い」

と言って笑われる。しかし、そうは言うものの警察署から頻繁にノラに似たねこの目撃情報がとどく。

昭和30年代の東京の警察署はずいぶんのどかで親切な対応だったらしい。

1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎても、ノラの行方はわからない。

夢にノラが出てくる。目覚めると、まだ帰らぬノラを思いまた涙。

はたしてノラ君は無事帰ってくるのか?

結末を明かさないのは本を紹介する時の鉄則。続きは

『ノラや』(内田百閒 ちくま文庫 1,000円+税)をお読みください。

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たかがねこ、されどねこ。

ありったけの愛情を注いだ家族同然のねこの失踪を嘆き悲しむ百閒先生の気持ちは

ねこ好きさんにはわかり過ぎるほどわかるはず。

ふとした出来事で縁を結んだねこと人は、人と変わらぬ、いやもしかして

人よりも心の底で通じる気持ちがあるのかもしれない、と思わずにはいられない。

 

4. おわりに

毎日のように、ねこの写真を撮っています。

レンズを向けるとあっという間に逃げてしまうねこ。

じっとして、まるでカメラ目線でポーズをとるねこ。

ねこもいろいろです。

逃げたねこを探したら、溝の奥からこちらをじっと見ていたので

パチリ。

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5.おまけ

本の紹介です。

『にゃんこといっしょ』

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長崎猫の会 編著 汐文社 13
00円+税

かわいい子ねこの写真がいっぱい。ついニンマリしてしまいます。

そしていつもは禁句にしている「カワイイ」を連発。

写真の子ねこすべてが

保健所や地域ねこの現場から保護された

ねこたちなのだそうです。

この子たちの背後に

同じようにかわいいけれど救えなかった

多くの命があることを

忘れないでいたいと思いました。

『左利きの黒猫――ノア十七音のアルバム』

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かわさきあてね 木耳社 1000円+税

黒猫ノアの写真とノアと暮らす日常を五七五の俳句に結晶させた、すてきな本です。

どれもすばらしい作品ですが、とりわけ、心に残った句は

「親猫とおぼしきがおり霜の道」

「子猫とはもう呼べないで桜咲く」

でした。ねこへの愛情たっぷりの本です。

 

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町ねこ通信 3号

もくじ
1. お知らせ

  • 長崎の町ねこ調査隊塾 募集中
  • 山根明弘氏講演会のご案内
  • いぬねこ里親譲渡会
2. 地域猫レポート vol.1 平和公園地域猫の会
3. ねこ調査・アラカルト
4. おわりに

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1. お知らせ

長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」の募集が始まりました。

広報ながさき4月号35ページにも紹介されています。

長崎伝習所ホームページでも募集しています。

先日今年度の伝習所塾長の集まりがありましたが、どの塾も元気いっぱい

やる気満々の様子です。わが「町ねこ調査」も負けずに楽しく盛り上げたいと

思いますので、ぜひご参加ください。

参加は無理だけど、PRなら引き受けてもいいよ、のサポーターもありがたいです。

どちらもこちらのフォームよりご連絡くだされば、対応します。どうぞ、よろしく。

 

山根明弘氏の講演会 ご案内

ねこ調査のパイオニア、山根明弘さん(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)をお招きして、講演会を開きます。

日時:2011年6月12日(日)午後(時間の詳細は未定)
場所:メルカ築町 5F会議室(長崎市築町3-18 / TEL:095-823-9333)
入場:無料
主催:長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

山根さんは福岡県新宮町相島という玄界灘に浮かぶ小さな島で、7年間かけて、200匹のノラネコの調査研究をされました。

そして2009年からは市民ボランティアと一緒に、北九州市のネコ実態調査に乗り出していらっしゃいます。

私は密かに「ノラネコ博士」とお呼びしているのですが、

そのユニークで簡単にできるねこ調査のノウハウを教えていただきながら、

だれもが知っているようで、じつは謎に包まれているねこの生態についてお話していただく予定です。

このチャンスを逃す手はありません。スケジュール帳に今すぐ書き込みましょう。

北九州市立いのちのたび博物館はこちら

 

いぬねこ里親譲渡会が開かれます。

日時:2011年4月24日(日)13:00~17:00
場所:宝町公園(長崎市宝町10 / 銭座町電停バス停より徒歩1分 / ココウォークより徒歩3分
主催:しっぽの会
共催:長崎猫の会・長崎ライフオブアニマル
チャリティー・フリーマーケットもあります。


2. 地域猫レポート vol.1 平和公園地域猫の会

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写真は平和公園噴水下の広場で食事中のねこさんたちです。

2011年3月下旬、長崎県地域猫活動連絡協議会のメンバーと長崎市平和公園を訪れ、

“地域猫”のねこさんたちとそのお世話をされているYさんにお会いしてきました。

平和公園地域猫の会は2009年12月に活動を開始しています。

ねこのメンバーは現在22匹。人間の会員は6名ですが、

朝夜1日2回の餌やりやトイレの清掃などはYさんとSさんのお二人が交代で行っています。

1年365日、雨の日も雪の日も欠かさずです。

ねこが好き、かわいいからだけではとても続かないでしょう。お二人には、ほんとうに頭が下がります。

一匹、一匹に名前がついていて、Yさんが呼ぶとやってきます。

初めての私はまったくねこの名前を覚えられなかったのですが、

Yさんはそれぞれの個性や健康状態などをしっかりと把握されていて、びっくり。

頭の中に「個体識別」カード(ねこ調査で使います)がインプットされているようでした。

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Yさんの周りに集まるねこたち

平和公園地域猫の会の悩みは、ねこたちのお世話をしてくれる人が少ないことです。

公園に子ども連れでやってくる人とねこを通じて顔見知りになり、おしゃべりするような仲になったりと、

人の輪は広がっているようですが、じゃあ実際にその中のだれかが一緒に地域猫活動を始めてくれるかと言えば、

それはなかなか難しいようです。地域猫活動は相手が生き物であるだけに責任も重く、

尻込みしてしまう気持ちもわからないではありません。

Yさんも「私の体調の悪い時だけでも代わりに待っているねこたちの所へ行ってくれる人がいれば、助かるんですけどね」とおっしゃっていました。

そうなんですよ、一人でも仲間が増えれば、一人の負担はその分軽くなるのですけれどね。

平和公園のねこさんたちを見ていると、とても外で暮らしているねことは思えないくらい毛並みが美しく、体も大きい。

こんなに可愛がられて、餌も十分に食べていれば、ストレスも少なく、まさに“平和”に暮らしているように見えました。

ちなみに餌代もボランティアさんの負担です。

平和公園地域猫の会ホームページはこちら

興味を持たれた方はこちらのフォームまでご連絡ください。

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3. ねこ調査・アラカルト

「長崎の町ねこ調査隊塾」より一足早く、今年1月から長崎市S町界隈でねこ調査を始めた。

ただいま21匹を「個体識別カード」に記入。

想像していた以上に難しいのはオスとメスの区別。

じっくり観察できるのは居眠りしているねこや座っているねこたちだが、その恰好からは雌雄がわかり難い。

かといって歩いているねこを詳しく観察しようとすると、さっと逃げてしまう。

ねこ好きもプロ級(?)になると、顔を見ただけで彼か彼女かわかるらしいが、ねこ初心者の私にはとても無理。

もうひとつはネーミング。ねこ調査をスムーズに行うためにはねこに名前を付けることがポイントだと、

山根明弘さんも著書『わたしのノラネコ研究』に書かれている。

しかしねこの名前って意外に思い浮かばない。

「そのネコを最初に見た時の印象を、そのまま名前にしてしまうことです」

とは山根さんのアドバイスだが、これもそう簡単にはいかない。

そんなこんなで試行錯誤しながら、早くも3カ月が過ぎた。

そんなある日の夕暮れ時、雑居ビルの前のスペースで顔なじみになったねこを見つけ、

バッグからデジタルカメラを取り出して、パチパチと写真撮影。

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「そのねこは性格がいいからね。人気者なんだよ」

と頭上から人の声。見上げると、初老の男の人がひとり。ビルの1階に入っているお店のご主人らしい。

地面に座り込むようにして写真を撮っている私をかなり気合の入ったねこ好きと思い込み、話しかけていらしたようだ。

ねこに性格が良い悪いがあるんだ、と思っていると

「子どもが触っても、だまって撫でさせているからね」

とのこと。つまり穏やかでやさしいねこさんということか。

その価値判断は、人間の場合と同じなんだろう、たぶん。

「いろんな名前を持っているみたいだよ」とご主人。

なるほどここにやってくる人たちが名前を付けて可愛がっているということか。

やっぱり人気者なのだ。

そして、いつのまにか三毛さんがそばに来ていた。

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このねこさんは3年前くらいにやって来て、この近所に住みついたらしい。

ご主人の説明によると、前に餌をあげていた人が不妊手術までしてくれたとのこと。

そこまで責任持ってくれたら、いいのですけどね。

「ここのねこたちは毎日刺身食べてるよ」

「えっ、さ、刺身を毎日?」

と思わず絶句!

聞けばこれも近所の魚屋さんが朝夕、生の魚を持ってきてくれるそうな。

「朝はアジを丸ごと一匹食べてたね」

す、すごい!美食!

と話していたら、その魚屋さんが手にビニール袋をさげて登場。もちろん袋の中には新鮮なお魚。

この魚屋さんチョットいかつそうなおじさんで、ねこさんを可愛がるって雰囲気じゃなかったのですが……。

ミャア、ミャアと声がして、今度は黒ねこ登場です。

えさを食べにやってきたらしい。

おじさんが皿に魚を入れると、まずはこの黒ねこさんから夕食タイム開始。

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茶色のねこはじっと待っていますが、三毛は知らん顔。

三毛さんは生魚が嫌いで、見向きもしないとか。好きなのはカリカリ(乾燥したキャットフード)。

このカリカリも少なくなってくると誰かが補充していってくれるそうだ。

「餌はやってないけど、水だけは毎日替えてる」とご主人。

見るとビルの外階段の下に小さなバケツが置いてあり、そのさらに奥にはねこさんのベッド(箱)もある。

この箱も誰かが持ってきて置いてくれたそうだ。階段の下なので、雨にも濡れないだろう。

ほとんど毎日この付近を歩いているが、ねこの糞を見たことがない。臭いもない。

たぶん、これも“誰か”が掃除してくれているに違いない。

この3匹の暮らしぶりは、ゆるやかな「地域猫」なのだろうか?

ご近所さんやここにやってくる人たちが何のしばりもなく、お世話している。が、とりたててのトラブルはないらしい。

このビルの前は狭いけれど車の通る道がある。

ねこさん、車にだけは気をつけて。

車はあなたたちの周りの人々のように、やさしくはないからね。

 

4. おわりに

ねこ活動を始めて、7か月。いろいろな人に会うたびにねこの話をしています。

「え、ねこ?」(それがどうした)という冷ややかな反応もある反面、

「じつは、ねこ大好きなんです」という心躍る反応もあります。

空前のペットブームばかりが話題になり、

その陰で悲惨な運命をたどる犬やねこがたくさんいることを、

ねこに興味のない人にも、ねこが大好きな人にも知ってほしいと思います。